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ちょっと気になる場所 俳聖正岡子規 見染塚

2018.08.27

さとこまき調剤薬局から車で5分ほどの所にある黒田公園(JR木曽川駅西側)に立つ石碑です。
俳聖の碑ではありますが碑文に俳句は無く、碑の謂れが裏面に刻まれています。
正岡子規はよく旅をした人でもありますが、それは明治24年木曽旅行の途中の出来事でした。
7月4日 一生にただ一度の思ひは残る木曾川の停車場とて田の中に茶屋三軒、その一軒に憩ひて
汽車待ち合はせしに、丸顔に眼涼しく色黒き女、十六ばかりに何の見処もなきが、これはまた如何にしてか心の奥までしみこんで、ここに一夜を明かす言ひ草まだ考へつかぬ内に、汽車が参りました、お急ぎなされませ、と彼女かひがひしく我が荷物さきに持ちて走るに我もおくれじと汽車に走りこみける。その無邪気な顔どうしても今に忘られず。大方三人の子はあるべし。
『ホトトギス』第二巻第十号 明治32年7月20日

十六ばかりとある女性は後の大正時代に松本わくさんと特定されましたが美人の噂高く。明治4年生まれで当時はすでに20歳、子規は24歳でした。短い文章ではありますがその情景が目に浮かびます。


 

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